デジタルが苦手でも大丈夫!無理なく始める家計簿アプリ入門
はじめに:お金の管理は、人生後半の「学び」として大切です
生涯学習と聞くと、語学や趣味、健康について学ぶことを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれらも素晴らしい学びですが、実は「お金」について学ぶことも、人生を豊かに過ごす上で非常に重要な生涯学習の一つです。
特に、人生の後半においては、ご自身の時間が増え、これからの生活設計について考える機会も増えることでしょう。そんなとき、ご自身のお金がどのように使われているのか、漠然とした不安ではなく、きちんと把握できていると安心感が生まれます。新しい趣味や旅行、健康維持のためにお金を使いたいと考えた際にも、計画的に準備することができます。
これまでの家計管理といえば、ノートに手書きする「アナログ家計簿」が一般的でした。それも良い方法ですが、最近は「家計簿アプリ」を使うことで、もっと手軽に、もっと正確にお金の流れを把握できるようになりました。
「デジタルは少し苦手で…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、家計簿アプリは、デジタルツールの中でも比較的シンプルで、日々の生活に役立つものです。本記事では、デジタルに不慣れな方でも無理なく家計簿アプリを始められるよう、基本的なことから丁寧にご説明します。生涯学習の一環として、楽しみながらお金と向き合ってみませんか。
なぜ今、家計簿アプリがおすすめなのか?
ノートに手書きするアナログ家計簿にも良さがありますが、デジタル家計簿アプリには特有のメリットがあります。
アナログ家計簿の良さと課題
- 良さ: 書くことで記憶に残りやすい、自由な形式で書ける、特別な道具が不要。
- 課題: 計算や集計に手間がかかる、過去の振り返りが大変、レシートが溜まりやすい。
家計簿アプリのメリット
- 手軽さ: スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも記録できます。重いノートを持ち歩く必要はありません。
- 自動計算・集計: 入力したデータはアプリが自動で計算し、月ごとの合計や費目ごとの内訳を瞬時に表示してくれます。これが最大の魅力と言えるでしょう。
- 「見える化」: 支出をグラフなどで表示してくれる機能があるため、何にどれだけ使っているかが一目でわかります。「食費が多いな」「趣味にもう少し使えるかな」など、気づきが得やすくなります。
- 振り返りが簡単: 過去のデータがすべてデジタルで保存されているため、いつでも簡単に過去の家計状況を振り返ることができます。年間での比較なども容易です。
- 連携機能(便利な場合も): 一部のアプリは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどと連携し、自動で入出金データを取り込んでくれる機能があります。これは少し進んだ使い方ですが、慣れてきたら非常に便利です。(最初は手入力から始めるのがおすすめです。)
デジタルツールに慣れていない方にとっては、新しい操作を覚えることに少し抵抗があるかもしれません。しかし、基本的な入力操作はとてもシンプルに作られています。まずは「家計のお金を見えるようにする」という目的のために、ぜひ一歩踏み出してみてください。
どんなアプリを選べば良い?【初心者向け】
家計簿アプリは非常に多くの種類があります。最初はどれを選べば良いか迷うかもしれませんが、デジタルが苦手な方や家計簿を初めてつける方には、以下のポイントを重視して選ぶのがおすすめです。
- シンプルで分かりやすい操作性: 複雑な機能がたくさんあるよりも、お金の出入りを記録する基本機能が分かりやすいアプリを選びましょう。画面が見やすいか、入力しやすいかを確認してください。
- 手入力がしやすい: 最初は銀行口座などとの連携機能は気にせず、ご自身でレシートを見ながら手入力することから始めるのがおすすめです。手入力がスムーズにできるアプリを選びましょう。
- 無料から始められる: まずは無料で試せるアプリを選んでみましょう。実際に使ってみて、使い勝手を確認することが大切です。多くのアプリには無料版があります。
- 広告が気にならないか: 無料アプリには広告が表示されることがありますが、あまりに頻繁だったり画面を覆い隠すような広告は、使う上でのストレスになります。気になる場合は、有料版への移行や別のアプリを検討しても良いでしょう。
- サポート体制: 困ったときに調べやすいヘルプ機能があるか、インターネットで使い方を検索したときに情報が見つかりやすいかも参考になります。
最初は、ご自身にとって「これなら続けられそう」と感じる直感も大切です。難しく考えず、まずは一つ試してみるくらいの気持ちで大丈夫です。
アプリを使った家計管理の「はじめの一歩」【ステップ解説】
では、実際に家計簿アプリを使い始めるための具体的なステップを見ていきましょう。ここでは、基本的な「手入力」で始める方法をご説明します。
ステップ1:家計簿アプリを選んで、スマートフォンにインストールする
まず、ご自身のスマートフォンで「アプリストア」を開きます。(iPhoneの場合は「App Store」、Androidスマートフォンの場合は「Google Play ストア」という名前のことが多いです。) ストアの検索画面で「家計簿」と入力して検索してみてください。たくさんのアプリが表示されます。 先ほどお伝えした「選び方のポイント」を参考に、気になるアプリを選びます。 アプリの詳細画面が表示されたら、「入手」や「インストール」といったボタンをタップ(指で軽くたたくこと)します。これでアプリがスマートフォンにダウンロードされ、使えるようになります。
ステップ2:最初の設定をする
インストールしたアプリを初めて開くと、簡単な初期設定が必要になる場合があります。 * アカウント作成: メールアドレスとパスワードなどを登録して、ご自身の利用環境を作る場合があります。これは、機種変更した際にデータを引き継いだりするために必要です。 * 開始日: いつから家計簿をつけ始めるかを設定します。月の初め(1日から)にするのが一般的で分かりやすいでしょう。 * 費目設定: 「食費」「水道光熱費」「交通費」「趣味・娯楽費」「日用品」など、支出を分類するための「費目」を設定します。最初から完璧に設定する必要はありません。最初はアプリに用意されている基本的な費目を使うか、ご自身がよく使う項目をいくつか設定するだけで大丈夫です。
ステップ3:毎日の収入と支出を入力してみる
設定が終わったら、さっそく記録を始めてみましょう。 * 収入の記録: お給料や年金などの収入が入ったら、日付と金額、簡単な内容(例: 年金、〇月分給与)を入力します。 * 支出の記録: 何かにお金を使ったら、その場で、または後でレシートを見ながら入力します。 * 日付: いつ使ったか。 * 金額: いくら使ったか。 * 費目: 何に使ったか(食費、日用品など、ステップ2で設定したものから選びます)。 * メモ(任意): 何を買ったかなど、詳しく書きたい場合に利用します。
【入力のコツ】
- 毎日少しずつ: 一週間まとめて…と考えると億劫になりがちです。買物をしたら、レシートをしまう前にサッと入力するなど、毎日の習慣にするのがおすすめです。
- 完璧を目指さない: 最初からすべてを正確に記録しようと気負いすぎないでください。最初のうちは入力漏れがあっても大丈夫です。「だいたいのお金の流れを掴む」ことから始めましょう。
- レシートはまとめて: もしその場での入力が難しければ、専用の封筒や箱にレシートを入れておき、帰宅後や決まった時間にまとめて入力するのも良い方法です。
ステップ4:週ごと、月ごとに振り返る
入力が溜まってきたら、アプリの機能を使って集計やグラフを見てみましょう。 「今週は食費が多かったな」「趣味にこれだけ使ったんだな」といったことが分かります。 この「振り返り」こそが、家計簿をつける一番の目的です。ご自身のお金の使い方の傾向が分かり、無駄遣いを減らしたり、必要なことにお金を回したりするヒントが得られます。
家計簿アプリで、暮らしと将来が変わる
家計簿アプリを使ってお金の管理を始めることは、単なる記録作業ではありません。これは、ご自身の現在地を知り、これからどこへ向かいたいのかを考えるための大切な学びです。
- お金の不安を減らす: お金の流れが「見える」ことで、漠然とした将来への不安が軽減されます。
- 計画が立てやすくなる: 旅行に行きたい、新しい趣味を始めたい、といった目標に向けた貯蓄計画などが立てやすくなります。
- デジタルへの自信に繋がる: 家計簿アプリを使いこなすことで、「デジタルツールも自分に使えるんだ」という自信が生まれます。これが、他の便利なアプリやオンラインサービスへの興味を持つきっかけになることもあります。
まとめ:学びの一歩として、家計簿アプリに挑戦してみませんか?
今回は、デジタルが苦手な方向けに、家計簿アプリを使った家計管理の始め方をご紹介しました。
最初の一歩は少し勇気がいるかもしれませんが、一度慣れてしまえば、これからの人生をより安心して、より豊かに過ごすための強力なツールになります。お金の管理は、まさに一生モノのスキルであり、生涯学習として取り組む価値は十分にあります。
難しく考えすぎず、「まずは一ヶ月、試しに記録してみよう」くらいの気持ちで始めてみませんか?きっと、新しい発見があるはずです。
もし分からないことがあれば、スマートフォンの使い方を教えてくれる家族や友人、地域のスマートフォン講座などに相談してみるのも良いでしょう。学びには、人とのつながりも大切です。
生涯学習パートナーは、あなたが新しい学びを始めることを応援しています。