脳活にも!大人のための塗り絵と簡単イラスト入門
最近、何か新しいことを始めてみたいけれど、何から手をつけて良いか分からない、そんな風に感じていませんか?子育てが一段落したり、自分の時間が増えたりした今だからこそ、心のゆとりを持って楽しめる学びを探している方もいらっしゃるでしょう。
生涯学習というと、資格取得や語学学習といった実用的なものをイメージされるかもしれません。もちろんそれらも素晴らしい学びですが、もっと気軽に、そして日々の暮らしに彩りを加えてくれるような学びもあります。その一つが、「絵やイラスト」に親しむことです。
「絵は苦手で…」「センスがないから無理」と感じる方もいるかもしれませんが、全く心配いりません。ここでご紹介するのは、プロを目指すような難しいことではなく、誰もが気軽に始められる「大人のための塗り絵」や「簡単なイラスト・スケッチ」です。これらは、脳の活性化(脳活)にも繋がり、リフレッシュ効果も期待できる、まさに大人のための生涯学習と言えるでしょう。
この記事では、なぜ今、大人が絵やイラストに親しむのが良いのか、そして初心者でも安心して始められる具体的なステップや、学びを深めるための様々な方法をご紹介します。
なぜ今、大人が絵やイラストに親しむのが良いのか?(生涯学習としての魅力)
絵を描いたり、色を塗ったりすることは、子どもの頃に誰もが経験した遊びかもしれません。しかし、大人になって改めてこれらに取り組むことには、生涯学習として多くのメリットがあります。
- 脳の活性化(脳活)に繋がる 絵を描く、色を塗るという行為は、手指を細かく動かすだけでなく、形を捉えたり、どんな色を使おうかと考えたり、バランスを意識したりと、脳の様々な部分を使います。これにより、脳に適度な刺激が与えられ、認知機能の維持や向上に役立つと言われています。まさに楽しみながらできる脳活です。
- ストレス解消・リフレッシュ効果 絵や塗り絵に集中する時間は、日々の雑事から離れ、無心になれる貴重なひとときです。色鉛筆や筆ペンを動かす感覚、色の組み合わせを考える楽しさは、心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらします。完成した時の達成感も、大きなリフレッシュになります。
- 自己表現の楽しさ 絵やイラストは、言葉だけでは伝えきれない自分の感情やイメージを表現する手段にもなります。日記に簡単なイラストを添えたり、季節の挨拶に絵手紙を添えたりすることで、より豊かなコミュニケーションが生まれるかもしれません。
- 身近な世界の見方が変わる 何かを描こう、塗ろうと思って身の回りのものを見る時、普段は何気なく見過ごしていた形や色、光と影に気づくことがあります。植物の葉脈の繊細さ、空の色が時間によって変わる様子など、発見を通して日常がより鮮やかに感じられるようになります。
- 完成したときの達成感 一枚の絵や塗り絵を完成させるプロセスは、目標を設定し、それに少しずつ近づいていく過程です。完成した時の喜びや達成感は、自信に繋がり、他の新しい学びへの意欲も高めてくれるでしょう。
初心者でも大丈夫!何から始める?
「絵心がないから…」と躊躇する必要はありません。まずは「楽しそう!」という気持ちがあれば十分です。特別な技術は不要です。
ステップ1:まずは「塗り絵」から始めてみましょう
最も手軽に始められるのが「大人の塗り絵」です。最近は書店や文具店で、花や風景、キャラクターなど、様々なテーマの塗り絵本が販売されています。
- 塗り絵本の選び方:
- ご自身の好きなテーマや絵柄のものを選びましょう。風景や花柄は特に人気があります。
- 最初はあまり細かすぎない、簡単なデザインのものから始めるのがおすすめです。
- 必要なもの:
- お気に入りの塗り絵本
- 色鉛筆(12色程度でも十分楽しめます。慣れてきたら色数を増やしたり、水彩色鉛筆やゲルインクボールペンなど他の画材を試してみるのも良いでしょう。)
- 鉛筆削り、消しゴム
- 塗り方のコツ(難しく考えずに楽しむ!)
- まずは使いたい色を自由に選んでみましょう。
- 鉛筆を寝かせるようにして塗ると広い面を均一に塗れます。立てて塗ると細部や濃く塗りたい部分に適しています。
- 同じ色でも、塗る力の入れ方を変えるだけで濃淡が出せます。
- いくつかの色を少しずつ重ねていくと、深みのある色合いが生まれます。
- 線の内側をきれいに塗ろうと気負いすぎず、はみ出しても気にしないくらいの気持ちで楽しみましょう。
塗り絵は、あらかじめ線が描かれているため、「何を描こうか」と悩む必要がありません。色の組み合わせを考えたり、黙々と手を動かしたりすることに集中でき、リラックス効果が高いと言われています。
ステップ2:「簡単イラスト・スケッチ」に挑戦してみましょう
塗り絵に慣れてきたら、次は自分で線を引いて描くことにも挑戦してみましょう。これも「絵を描く」と難しく考える必要はありません。「簡単な線で形を捉える」という意識で十分です。
- 必要なもの:
- スケッチブックやノート(百円ショップのものでも十分です)
- 鉛筆(HBやBなどの濃さがおすすめです)
- 消しゴム
- 必要であれば、ボールペンやサインペン
- 具体的な描き方(気楽に始める方法)
- 身近なものを描いてみる: 机の上のペン立て、お茶を飲む湯呑み、観葉植物など、身近にあってじっくり観察できるものから始めましょう。まずは輪郭だけをゆっくりと線で追うように描いてみます。歪んでも大丈夫です。
- 「線」を描く練習: まっすぐな線、ぐるぐるの渦巻き、波線など、色々な線をノートいっぱいに描く練習をするだけでも、線を描くことに慣れてきます。
- 簡単な図形から描く: 丸、三角、四角を組み合わせて、簡単な動物やモノを描いてみましょう。例えば、丸を二つ描いて雪だるま、三角と丸でネズミなど。
- 模写から始める: 好きなイラストや写真を見て、真似して描いてみるのも良い練習になります。
難しく考えず、「ただ線を引いてみる」「形を写し取ってみる」という感覚で気軽に始めてみてください。描いているうちに、意外な発見があったり、少しずつ形になっていくのが面白く感じられるはずです。描いた絵に色鉛筆で色を塗るのも楽しいでしょう。
学びを深めるには?多様な方法
独学でも十分に楽しめますが、「もっと上手くなりたい」「他の人の作品も見たい」「仲間と一緒に学びたい」と感じたら、様々な学びの機会を活用できます。
- 書籍や教材での独学: 初心者向けのイラスト技法書や、特定の画材の使い方を解説した本など、書店には多くの参考書があります。自分のペースでじっくり学びたい方におすすめです。
- 地域の公民館やカルチャースクール: お住まいの地域の公民館や生涯学習センター、民間のカルチャースクールなどでも、絵画やイラスト、書道などの講座が開かれていることがあります。先生から直接指導を受けられたり、一緒に学ぶ仲間ができたりするのが魅力です。
- オンライン講座や動画サイト: インターネット上には、絵やイラストの描き方を解説した無料動画(YouTubeなど)や、体系的に学べる有料のオンライン講座(UdemyやClass101など)がたくさんあります。自宅にいながら、好きな時間に、自分のレベルに合った講座を選んで学べるのが大きなメリットです。デジタル機器に少し苦手意識がある方も、最近のオンライン講座は分かりやすく作られていますので、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。(オンライン講座の受講方法については、当サイトの別の記事「デジタルが少し苦手でも大丈夫!初めてのオンライン講座、受講の第一歩」も参考にしてみてください。)
終わりに
絵やイラストを始めるのに、「遅すぎる」ということはありません。特別な才能は必要なく、必要なのは「やってみたい」という気持ちと、少しの時間だけです。
塗り絵で色の世界を楽しんだり、簡単なスケッチで身近なものを描いてみたりすることは、脳の活性化になり、心の安らぎにも繋がります。これはまさに、人生をより豊かにするための素晴らしい生涯学習です。
難しく考えず、まずは一冊の塗り絵本と色鉛筆、あるいはノートと鉛筆を用意するところから始めてみませんか。きっと、新しい発見と、日々の暮らしに彩りが加わるのを感じられるはずです。
学びの機会は様々ありますので、ご自身の興味やライフスタイルに合った方法で、絵やイラストの世界への第一歩を踏み出してみてください。